事例紹介

株式会社JALエンジニアリング 新規事業研修「TechGarage」を支援

client

株式会社JALエンジニアリング

https://www.jalec.co.jp/

project

新規事業プロジェクト「TechGarage」

画像右:株式会社JALエンジニアリング 兵藤綾香さん
画像右から2番目:株式会社JALエンジニアリング 中野圭亮さん

株式会社JALエンジニアリングは、JALグループの航空機を中心に整備業務を担っています。航空機整備に加えて新たな事業の柱を築くというゴールのもと、2024年に新規事業プロジェクト「TechGarage」を立ち上げ、新規事業の創出に取り組んでいます。

今回「新規事業に対する深い知見を持って社内の新規事業創出を後押しできる外部パートナーを招き入れたい」という思いからCINCAにご相談いただきました。

CINCAにご依頼いただいた背景や、支援を通じてどのような変化が生まれたのか、TechGarageの運営事務局として関わった兵藤綾香さんと、受講者の中野圭亮さんにお話を伺いました。

コロナ禍を契機に始まった新規事業への挑戦

──まずは、御社が新規事業の創出に取り組まれるようになった経緯を教えてください。

兵藤さん
兵藤さん

弊社は、JALグループの航空機整備に加え、官公庁及び海外エアラインの機材受託整備(MRO事業)を事業の柱としています。その一方で、ここ数年は非破壊検査や溶接のスキルを活かした宇宙機の開発支援など、いわゆる“非航空領域”にあたる業務も少しずつ拡大してきました。しかしながら、新型コロナウイルスの流行を通じて、航空領域が景気変動の影響を強く受けることを痛感しました。そこで、非航空領域への進出をさらに加速・拡大し、その挑戦から得た利益・経験・ノウハウを航空事業にも還元することで、航空需要に左右されず持続的に成長し続けられる仕組みづくりが弊社の中で始まりました。現在、私が所属する事業推進部では非航空領域の事業開発・推進を担い、ドローンやエアモビリティ、異業種領域へも事業を拡大しています。

その中で「Tech Garage」は持続的な事業創出に向け、新規事業を生み出せる人材を育成したいという思いから、事業推進部と関連部署の有志を中心に始動し、今年度で2年目を迎えました。

──改めて、TechGarageのゴールを教えてください。

兵藤さん
兵藤さん

大きく3つあります。1つは新規事業を推進できる社内人財の創出、2つ目は新規事業の創出に向けた文化の醸成、3つ目は事業化です。長期的には、航空機整備と並ぶ事業の柱を生み出すことを目標としています。

JALエンジニアリングの社員は日々航空機と向き合っており、航空機の安全運航を支える高い技術力と、それを支える組織力が強みです。これまでは、その我々の強みを活かして他のエアラインの航空機整備受託など、航空領域に注力してきました。一方で、世界に目を向けると、国際情勢の変化や自動運転、空飛ぶクルマ、宇宙、AIなど、新たな技術やサービスが加速度的に生まれています。我々の今後の成長戦略を考えると、航空機という枠を超えて新たな分野に進出していく必要があります。その潮流に適した人財、社内文化、そして事業を創っていくことが、TechGaragとしての最終ゴールだと捉えています。

──社内で新規事業を創出する上で、これまで抱えていた課題を教えてください。

兵藤さん
兵藤さん

主観ですが、航空機整備を扱う会社という性質上、懸念点をつぶしながら慎重かつ丁寧に、しかしスピード感も意識して物事を進める傾向があると感じています。一方で、この進め方を新規事業開発に適用するには、アイデア創出に必要なフレームワークやノウハウを事前に身につけておく必要がありますが、事務局にはその知識が不足していました。そこで、事例を交えながら基礎から実務レベルまでの知識を網羅的に教育し、かつスピード感をもって伴走支援してくれるような会社を探していました。

「爆速で新規事業を立ち上げる方法を、365日考えています」

──数ある企業の中で、なぜCINCAを選んだのでしょうか?

兵藤さん
兵藤さん

CINCAさんのサイトに載っている「どうやったら爆速で新規事業を立ち上げられるか。365日考えています。」というキャッチコピーが経営陣に刺さりました。

事業開発を得意とする複数の会社に相談しましたが、私たち事務局のニーズと提案内容にギャップがある会社も多く、選定には苦労しました。

弊社には、現場の整備士のようにシフト勤務の社員、間接業務のうちフレックス勤務や時短勤務の社員等、様々な勤務体系の人財が所属しております。事務局としては、その勤務時間を考慮しつつ、ゼロをイチにする新規事業のフレームワークと、論理的思考法を丁寧に教えてくれる会社を探したい気持ちがあり、その点でCINCAさんは私たちのニーズに合致していました。

CINCA公式サイトより

──CINCAの支援を受けてみて、いかがでしたか?

兵藤さん
兵藤さん

航空機整備の現場では、いかに正確に業務を遂行できるかが重視されるため、0→1という不確実性の中で案件を前進させたり、失敗を許容する文化はほとんどありません。そのため、TechGarage参加者からは、普段の業務とのギャップを感じたという声もありましたが、CINCAさんは最初から最後まで親身に伴走してくれました。講義や資料も、私たちの要望や状況に合わせて柔軟にカスタマイズしていただきました。

特に助かったのは、事業アイデアの壁打ちです。TechGarage参加者全員から寄せられるアイデアに対し、CINCAさんは毎日フィードバックをしてくれ、直前期には参加者11名が満足いくまで面談できるよう、柔軟にスケジュールを調整してくれました。ここまで寄り添って支援する会社は、なかなかないと思います。

講義と実践を繰り返して得られたリアルな学び

──今回のご支援では、新規事業研修の講義や実践に伴う壁打ち・フィードバック、ビジネスコンテストの運営まで実施しました。中野さんがTechGarageを受講された背景を簡単に教えていただけますか?

中野さん
中野さん

会社の中期経営計画で、「新領域での事業創出」が打ち出されており、新規事業創出にチャレンジしたいという思いが漠然とありました。自分なりに「こんな事業だったら面白いのではないか」というアイデアはあったのですが、事業化に至るプロセスは全然わからなかったんです。

そのタイミングでTechGarageの募集を見かけ、上司に相談したところ背中を押していただいて、受講に至りました。

──実際に講義と実践を行ってみて、いかがでしたか?

中野さん
中野さん

講義では「新規事業を立ち上げるために、なぜこの検証をするのか」といった理論的な話から実践まで網羅されていました。

講義を聞いた後に即実践に移るため、正直腹落ちできていないことも多々ありましたが、実践しながら講義動画を見返していくことで「こういうことだったのかもしれない」と徐々に理解が進んでいきました。

また事業アイデアを考えるフェーズでは、はじめは自分が考えたアイデアに固執していたのですが、講義を受けていく中で「このサービスは本当にお客様が求めているものなのか」「事業化する上で、競合に模倣されるリスクが大きいのではないか」などと疑問が湧いてきました。そういった疑問をCINCAの小林さんとの壁打ちを通して、一つずつ解消していき、事業アイデアをブラッシュアップしていくことができました。

CINCAさんとの壁打ちを頻繁に繰り返す中で、新規事業アイデアはスピード感を持ってピボットや調整をしていく大切さを学びました。

──ほかに苦労した点や得られた気づなどは何かありましたか?

中野さん
中野さん

必ずしも事業アイデアの全体像をしっかりと固めてからフィードバックをもらいにいく必要はないのだと気づきました。

講義を受講しはじめたころは、普段の仕事のように、ある程度自分の中で答えを導きだした上でアイデアを作り、CINCAさんに納得していただくイメージを持っていました。そこで、自分の中で抱え込んで調べたり、考えたりしていたのですが、ビジネスコンテストの発表が近づくにつれて、のんびりしているわけにもいかなくなってしまって……。こまめに壁打ちを繰り返し、適切なフィードバックをいただく中で、もっとスピーディーに進めるべきだったと気づかされました。

新規事業創出の起爆剤として、伴走支援の活用を

──改めて、CINCAの支援を通して、どんな成果を得られましたか?

兵藤さん
兵藤さん

新規事業創出に興味はあるけれどもアイデアの出し方がわからない参加者に対し、具体的な道筋を提示し、各自のアイデアを尊重しながら、思考が迷子になった際には論理的に導いてくれました。最終的に、複数のアイデアを事業案に落とし込めたことは大きな成果です。参加者の新規事業に対する意欲向上にもつながったと思いますので、今後も引き続き新規事業創出に向けた土壌を耕していきたいと考えています。

中野さん
中野さん

CINCAさんが用意してくださったテンプレートや形式化されたやり方を実践していくことは、とても勉強になりました。不確実性の高い事業検証の中で、どう決断したら良いか迷う部分もあったのですが、CINCAの大平さんや小林さんがいてくださったおかげで、安心して決断できました。

──最後に、どのような会社がCINCAに合うと思いますか?

兵藤さん
兵藤さん

弊社のように社内のリソースを使って一から新規事業に取り組もうとしている企業にとって、CINCAさんのご支援は非常によい起爆剤になると思います。

また、新規事業の仕組みはあるものの、うまく機能していない企業についても、CINCAさんが関わることで実のある事業内容に誘導してくださるのではないかと思います。

中野さん
中野さん

CINCAさんはしっかりと伴走支援に徹してくださるので、取り組みたい新規事業の領域や活用したいアセットが決まっている企業さんだと相性が良いかなと思います。

※本内容は、2025年8月時点の情報です。

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