株式会社足利銀行の営業戦略部・新事業企画グループは、行員からアイデアを募り、事業化を目指す行内ビジネスコンテスト「新規ビジネス開発プロジェクト(以下、本プロジェクト)」を運営しています。3年目を迎えた本プロジェクトにおいて、CINCAは約1年間にわたり、経営層向けのプレゼン審査会に向けたアイデアのブラッシュアップに伴走しました。最終的に2案が審査を通過し、行内に新規事業開発のナレッジが蓄積され、一定の「型」が生まれ始めています。
本インタビューでは、足利銀行営業戦略部の桜井さん・武内さんにお話を伺いました。

直面していた課題は、「事業化」と「属人化の解消」
──まず、これまでの取り組みと、CINCAに依頼する前に抱えていた課題を教えてください。
武内さん
私たちが所属する新事業企画グループは、2023年4月に新設され、現在4期目を迎えており、ミッションは大きく2つあります。1つは私たち自身でゼロから事業を生み出すこと。もう1つは、今回CINCAさんに支援いただいた「新規ビジネス開発プロジェクト」、いわゆる行内からアイデアを募って事業化までを目指すビジネスコンテストの事務局を運営することです。
本プロジェクトは、人材育成そのものを主目的とするのではなく、本プロジェクトを通じて当行の収益の多角化や、地域課題の解決につながる事業を創出することを目指しています。ただ、過去2年間実施してきた中で、「事業化できた」とはっきり言える成果がまだ生み出せておらず、事業化の実現が課題でした。また、行内リソースを活用して独自にプロジェクトを運営していたため、事務局運営ノウハウの属人化も課題となっていました。
──事業化と属人化の解消について、具体的にどのような課題がありましたか。
武内さん
私たち自身、新規事業開発を専門に業務を担ってきたわけではないため、事業の立ち上げ方に関するノウハウやフレームワークを、行内で十分に整備できていませんでした。そのような状況で事業をつくろうとした結果、必要以上に検証に時間がかかったり、目指すべきアウトプットの方向性が想定通りにいかなかったりすることがありました。だからこそ3年目は、事業を創出することに加えて、「新規事業をどうつくっていくのか」という進め方そのものを行内に蓄積し、特定の担当者に依存しない仕組みを整えることも目標にしていました。

「一緒に汗をかいてくれる」と感じた。事業化にこだわり抜く伴走
──CINCAに依頼を決めた理由や、期待していたことを教えてください。
武内さん
CINCAさんに依頼することを決めた理由は、大きく2つあります。1つは、新規事業の立ち上げを専門にされている貴社なら、ノウハウや仕組みがすでに確立されており、その提供が受けられるだろうということ。もう1つは、スタートアップならではのサービスの柔軟性や、「私たちと一緒に悩みながら自ら手足を動かしてコミットしてくれる」姿勢です。ここが、ほかのコンサルティング会社さんとは違う部分だと感じました。
桜井さん
私はもっと泥臭い言い方になりますが、展示会でお会いした支援会社さんの中で、「一番ちゃんと一緒に汗をかいてくれる方たちだな」と思えたのが、決め手でした。取締役の佐倉さん自らが現場で動いてくださっていたのも大きかったです。展示会で話した方と後日の面談担当者が違うということも珍しくない中で、最初から最後まで同じ方と同じ温度感や情報量で会話することができた。そういった部分も決め手の一つでした。
武内さん
契約前から実際の支援まで、一貫して同じ担当者の方と対話できる点は、CINCAさんならではの強みだと感じますね。
──実際に一緒に取り組んでみて、いかがでしたか。
武内さん
一番感じたのは、「事業として世に出す」という出口を強く意識されているところでした。事業化をゴールに置き、そこから逆算して「何をすべきか」を緻密に整理していく。事業化をストイックに追求してくださっていると受け止めています。
桜井さん
正式にキックオフする前に、「ブラッシュアップ期間が終わったあとに、事業化を進められるものを生み出したい」という目指す姿を、最初にしっかりすり合わせてもらいました。そこに向けて本気で支援していただけたのは、本当にありがたかったです。銀行が取り組む事業ということもあり、法的な規制やステークホルダーとの関係性など、途中で方針の転換が必要な場面でも柔軟に対応していただけて、自分たちだけで進めていた過去2年間と比べると、大きな刺激になりました。

新規事業開発のナレッジを吸収し、事業案を見極める仕組みも取り入れ始めた
──当初掲げていたゴールに対して、成果はいかがでしたか。
武内さん
事業化に向けては、現在も新事業企画グループで検証を続けており、本格的な成果が形になるのはこれからです。一方で、新規事業開発の進め方の標準化については、本当に勉強させていただきました。まだ仕組みとして作り切れてはいないですが、その素地となる新規事業開発のナレッジを、CINCAさんから吸収できたと感じています。
──ブラッシュアップした6案のうち、2案が審査を通過しましたね。
武内さん
はい。6案全てにおいて、「どのようにすれば事業として成立するか」をCINCAさんと一緒に考え抜いて、結果として2案を通すことができました。審査通過後は、新事業企画グループである私たちが引き継ぎ、各案の状況に応じて、事業化に向けた検証を進めながら、継続の可否を判断しています。
桜井さん
もう1つ大きかったのは、審査通過後の検証期間や検討継続・中止基準を決め、限られたリソースを最大限活用するために、ステージゲート※の考え方を取り入れられたことです。ここは確実に変わった部分だと思います。
※事業開発の各段階で、次の段階に進めるか、いったん見送るかを判断する仕組み

AIを使いこなしながら、担当者が人間味と熱量を持って伴走する
──改めてCINCAと取り組んでみての率直な印象を教えてください。
武内さん
お話ししながら改めて感じたのですが、AIを使いこなしている一方で、担当者の皆さん一人ひとりが、事業をつくることに本当に熱い思いを持っている。そこが特別だなと感じます。業務はしっかり効率化されているのに、実際に話すと熱量のある方ばかりです。
──最後に、どんな企業にCINCAをおすすめしたいですか。
武内さん
本気で事業化を目指し、新規事業をつくりたいと考えている企業さんにおすすめしたいですね。CINCAさんは、それを全力で支援してくれる会社だと思います。
桜井さん
あらかじめ決められたパッケージを一律に当てはめるのではなく、担当者の思いや会社のビジョンを踏まえながら、「外部パートナーと一緒に自分たちのものをつくり上げていきたい」と考えている企業にとっては、ベストパートナーになり得ると思います。一方で、既成の手順や枠組みに沿って進めたい企業とは、支援スタイルが異なるかもしれません。
※本内容は、2026年6月時点の情報です。