株式会社J&J事業創造は、グループ会社のアセットを活用し、訪日インバウンド向けサービスの創出に取り組んでいます。
これまで1人の担当者が事業検証を推進していたことから、社内リソースの不足と新規事業に対するノウハウの欠如を感じ、CINCAに伴走支援のご相談をいただきました。
そこで、今回は本プロジェクトに関わった三村さん、外山さんに、CINCAに期待していたことや伴走支援を終えての感想についてお話を伺いました。

求めていたのは、事業開発に向けたリソースとノウハウの確保
──まずは、訪日インバウンド向けサービスに取り組んだ背景を教えてください。
親会社が展開する「旅行事業」と「決済事業」という経営資源をもとに「訪日インバウンドサービス」を柱の一つとして新規事業開発を推進しています。
J&Jグループ事業会社との連携も考えていた所、新たな価値提供になり得る課題が見えてきたため、そこから事業検証に取り掛かりました。
──御社の中で、これまで抱えていた課題を教えてください。
訪日インバウンド向けサービスの事業検証を推進するにあたって、大きく2つの課題を抱えていました。1つは、当社の担当者は各自で新規事業開発を推進していくため、1つの案件を一人で進めています。そのため、どうしてもリソースが不足する課題がありました。もう1つは新規事業開発に関するノウハウが不足しており、どうしたら効率的に進めていくことが出来るのか、課題を持っていました。
それでも、自分で仮説を立てながらニーズの検証は行っていましたが、この結果でいいのか、漏れがあるのではないか、という不安があり、外部の知見を借りる必要性を強く感じていました。
三村が言う通り、社員全員が新規事業開発に関わる経験やスキルを十分に持っているわけではないので、事業検証の精度やスピードに少し不安を抱えていました。それらを解消するために、外部のパートナーを探していました。
御社との出会いは、2024年の展示会のときでしたね。
その時は「事業アイデアがある程度固まってきたら、改めて相談させてもらいます」というお話だったと記憶しています。
今回、改めてご相談いただいて本プロジェクトがスタートしました。

スピーディーかつ納得感のある、事業検証の進め方
──最初、CINCAはどのような印象でしたか?
CINCAさんから「レンタル新規事業室」のサービス内容について説明を受ける中で、特に事業検証におけるニーズのヒアリングに強みがあることを感じました。また、事業アイデアを精緻化していく初期の過程で、ピボットのご提案もいただいたことも印象に残っています。自分たちだけで考えているとなかなか出てこない視点ですし、他の会社さんからはあまりそこについて言及されることはありませんでした。インタビューによるヒアリングとピボットの部分に強みがあるという点が、CINCAさんへの信頼に繋がりました。
いろんな会社から新規事業の壁打ちや伴走支援のご提案を受けましたが、CINCAさんが展開されている「レンタル新規事業室」では事業検証フェーズを企業の事業責任者の代わりに全部やってくださる点に、まず惹かれました。しかし、支援の過程を通じて担当者のスキルやノウハウが育成され、社内に知見が蓄積されることにも期待していたので、当社ではまるっとお任せするのではなく、なるべく伴走・協業の形を取りたいと思いました。
──ご依頼前に期待していたことや懸念点はありましたか?
CINCAさんに期待していたのは、我々の考える事業アイデアが本当にお客様に響くものなのか、事業検証を通じてデータや客観的な意見、ファクトをもとに、事業化できるかどうなのかの判断ができる状態にしてもらうことでした。
また、CINCAさんに限らず、外部パートナーとのお付き合いは初めてだったため、ご提案いただいた内容に対して実際のアウトプットの品質はどれほどのものなのかという不安は少なからずありました。
ただ、複数の外部パートナー候補企業からのご提案を比較検討する中で、CINCAさんからご提案いただいた内容がこちらが考えているものをよく取りいただけており、契約期間や価格も比較的取り組みやすかったため、CINCAさんにお願いすることとなりました。
──実際にCINCAの支援を受けてみて、いかがでしたか。
「お願いしてよかった」というのが一番の感想です。最初に期待していたニーズのヒアリング設計からインタビュー実施までご対応いただき、事業アイデアのピボットや精緻化を進めることができました。非常に満足度の高い成果を得られたと思っています。
また、単に事業検証を進めるだけでなく、お客様目線での調査や、今後の開発に向けたロードマップの整理もお手伝いいただけたので、大変ありがたかったです。
「アウトプットを早く作って検証する」ことで、プロジェクトがスピーディーに動いていくことを実感でき、私自身も勉強になりました。
また、新規事業アイデアの創出からPMF達成の流れに基づいた進め方の完成度も、非常に高いと感じましたね。書籍などで読む抽象的な概念が、具体的な行動計画として解像度高く落とし込まれていました。
他にも、事業検証の進め方や判断に対して理由や背景をお尋ねした際に、回答の納得感がとても高かったんです。セガワさんからの回答の量やスピードは、例えていえば、ChatGPT 7.0ぐらい高精度だと感じました(笑)。
──最初に期待されていたことは、どれくらい実現できましたか?
最終的な今回の事業アイディアの実現度は80点くらいだと評価しています。残りの20点は、CINCAさんのご支援内容に不足があったわけではなく、私たち社内の調整や制約によって検討スピードが落ちてしまいました。もう少しお願いできればより事業を前進することができたと思っています。ただ、依頼した内容自体については、心から満足いくものができたと思います。
アウトプットの最終的な形を我々も完全にイメージできていたわけではありませんが、今回の過程とアウトプットを見て「こういうものが出てくるんだ」と学びにつながりました。改めて、ご支援いただいて良かったと思いました。

CINCAなら、新規事業開発の手法を実践的に学べる
──今後の取り組みについて教えてください。
MVP提供に向けた開発を本格的に進め、営業も動いていきたいです。
CINCAさんの著書『新規事業開発を成功に導く 超実践 0→1攻略ガイド』に書かれている「プロダクト開発前に予備営業をする」を実践していきたいです。
どこまで自走できるかわからないですが、大まかな方向性は見えてきたところです。引き続きCINCAさんのご支援も視野に入れながら、お客様へサービス提供できるよう取り組んでいきたいです。
──最後に、どのような会社がCINCAに合うと思いますか。
一番は、新規事業のアイデアはすでにあるけれども、私たちのようにリソースが不足している会社ですね。
CINCAさんの支援を通じて、事業を推進するだけでなく、新規事業の進め方や検証方法にも学びにつながる部分が多くありました。「新規事業開発の進め方を学びたい」と考えている企業にとっても、おすすめだと思います。
人事異動などで担当者が頻繁に入れ替わる組織や、新規事業開発への適性やスキル・ノウハウがある人材が少ない部署にとっては、非常に良いパートナーだと思います。
CINCAさんは、フィットジャーニーの各段階に応じて、何をすべきか、どのような具体的な提案をすべきか、ということを明確にしてくれます。そういった点では、大企業の新規事業開発部門にもフィットすると思います。