コンテンツへスキップ

事例紹介

新規事業創出プログラムの運営事務局を経て、株式会社Sincecoreを創業。高リスク面談支援サービス「シンミライナビ」の事業化をCINCAが伴走支援

client

株式会社Sincecore

project

監査・コンプライアンス・HR領域の伴走支援

インタビュー参加者の集合写真

株式会社Sincecoreは、企業の内部通報対応をはじめとする「高リスク面談」の受付から記録までを支援する対話ガバナンス基盤「シンミライナビ」を運営しています。

代表取締役CEOの佐藤英吾さんは、大日本印刷株式会社(以下、DNP)の新規事業創出プログラム「OneABスタジオ」の運営事務局として、さまざまな新規事業創出のサポートを実施。その後、自ら事業責任者としてHR領域の顧客検証とピボットを重ね、現在の事業にたどり着きました。

今回のインタビューでは、株式会社Sincecoreの佐藤さん、山川さんに、伴走支援を担当したCINCA取締役の佐倉が話を伺いました。

インタビューの様子

「目の前の顧客」と「事業構想のスケール」をどう追求するか

──佐藤さんはOneABスタジオで、はじめは事務局を担当し、その後はご自身が事業責任者として事業検証〜事業化まで経験されました。事務局の経験をどう振り返りますか。

佐藤さん

事務局では、参加者がモチベーション高く前向きに行動できるようサポートに徹していました。私自身、つい手を動かしたくなるタイプで、その衝動を抑えながら参加者が主体的に動ける環境をつくることが難しいと感じました。

一方で、事務局という立場から複数のプロジェクトにフラットに関われたことで、進む案件と進まない案件の差が見えました。振り返ると、初期の顧客インタビューで良い反応が得られるか、選んだ市場に十分な大きさがあるか。この2つが、その後の事業化がスムーズにいくかどうかを大きく左右していたように感じます。

──進む事業には、初期の顧客反応と十分な市場規模の両方が必要だったのですね。一方で、目の前の顧客を具体的に捉えるほど、社内審査で求められる大きな事業構想との距離も生まれます。佐藤さんは、この2つをどう両立したのでしょうか。

佐藤さん

目の前の顧客に価値を届けられるかを重視していました。100億円、1,000億円の構想を描けたとしても、最初の1年に何をするかまで具体化しなければ、審査後に着実に進められません。

まずは、目の前の顧客が「これは良いサービスですね」と言ってくれることや、1つのサービスで数千万円や1億円の利益を生み出せることを考えました。その上で、社内に対しては将来の大きな絵を示すことで、審査の通りやすさと実現可能性のバランスを取っていました。

──目の前の顧客は捉えられても、将来の大きな絵を描くことは苦手とする方が多いと感じています。そのあたりは、どのように工夫されていますか?

佐藤さん

CINCAさんとの伴走で、事業を伸ばす戦略の例をいくつも提示してもらいました。提案をそのまま使うこともあれば、考え方を吸収して、自分なりの戦略に変えることもありました。

たしかに、大企業で働いていると、ある程度の枠組みの中で決断することが多く、大きな絵を描く機会は少ないと思います。1→10に、10→100にする考え方は、まさに実践の中で身につけていきました。

インタビューの様子

5社目の顧客インタビューでつかんだ「手応え」

──事業検証で、最も苦しかったのはどの段階でしたか。

佐藤さん

顧客の重要課題を特定し、解決策を模索していく段階です。事業検証の初期段階では、顧客の反応を受けながらピボットを重ね、課題と解決策の精度を高めていきます。

ただ、完全に別の事業へ変えてしまい、自分が本来やりたかったことが残らなければ、最後までやり切れません。自分の軸を残しながら、どこを変えるか。期待した反応が得られないときも、気持ちを保ちながら次の検証へ進み、自分の軸をぶらすことなく事業案をピボットすることが求められました。

──「これでいける」と感じたのは、いつでしたか。

佐藤さん

5社目でのインタビューです。最初の4社は、話を聞いてもまったく手応えがありませんでした。5社目でようやく「その課題はある」「使えそうだ」と言ってもらえたんです。それが転換点でした。

実際にプロトタイプを作成して顧客に提案すると、強く必要とする顧客がいる一方で、想定していた市場は小さいことがわかりました。さらに、展示会では想定していた顧客とは別の方の反応からヒントを得られたんです。

──最初の仮説に固執せず、それでも原点を失わずにピボットできたのはなぜですか。

佐藤さん

前職で、労働組合の代表として会社の高リスク面談に向き合っていたことが原体験にあったからです。会社のリスクを減らし、従業員が傷つくことも防ぎたい。その軸には最後までこだわろうと決めていて。展示会で、私たちが顧客として捉えていなかった担当者と話したときも「違う話だ」とスルーすることなく、ピボットするチャンスに気づけました。それによって、退職推奨に関する支援から、内部通報やハラスメントなどの相談対応へと市場をずらすことができました。

インタビューの様子

カーブアウトを経て深まった、事業への当事者意識

──カーブアウトして事業を進めるようになり、意思決定はどう変わりましたか。

佐藤さん

大企業の中で働いているときとは異なり、自分たちの判断をすぐ実行できて、その結果もすぐに返ってきます。考えたことが無駄にならないから、もっと考えようと思える。意思決定の速さだけでなく、「考える→実行する→結果がわかる」のループが楽しくなったことも大きな変化でした。

──山川さんは、DNPでの新規事業開発も経験されています。Sincecoreに加わって、何か変化はありましたか?

山川さん

Sincecoreに加わって大きく変わったのは、事業への当事者意識です。

DNPでは事業部門で新規サービスの企画・提案を自ら行い、複数のテーマに取り組みました。PoCまで進んだものの、そこで終わった事業案もあります。直近で手がけていたテーマも実証まではできましたが、受注には至りませんでした。振り返ると、PoCをうまく進めることに意識が偏りその先の事業化につながらない状況が起きていたと感じています。

私がSincecoreに加わってからまだ2か月半ほどですが、その短い間にも、佐藤さんと会話を重ねるたびに、事業の解像度が上がっていくのを感じます。その姿を間近で見ていると、私も一緒に事業を前へ進めたくなる。DNPでの経験に加え、Sincecoreに参画したことで得られた、新たな感覚だと思います。

インタビューの様子

正解がないからこそ、一緒に動いてくれることに価値がある

──CINCAの支援で印象に残っていることを教えてください。

佐藤さん

とにかく実行を支援してくれることです。新規事業には正解がありません。経験のある人から「この進め方でいい」と助言をもらえるだけでも意味がありますが、CINCAは実務まで一緒に動いてくれました。

事業検証を我々とCINCAさんの担当メンバーだけに任せるのではなく、CINCAさんの代表である阿部さん・佐倉さんも入り、最新の事例や手法を持ち込んで支援をアップデートし続けている。一緒に進めながら、私たち自身も新しいやり方を吸収できました。

──最後に、Sincecoreを今後どのような会社・事業にしていきたいですか。

佐藤さん

内部通報をはじめとする高リスク面談の実行まで支援する領域は、まだ十分に開拓されていません。だからこそ時間はかかりますが、取り組む意義も大きいと感じています。

短期的な成長だけでなく、10年、100年単位で残る事業にしたい。そのために、仲間をたくさん集めて事業を長く続けられる組織をつくっていきたいです。

その他の事例

私たちについて

クライアントの真価を引き出し、事業を進化させる。
CINCAの会社情報を紹介します。

採用情報

一緒にCINCAで働いてみませんか?
自分の可能性がグッと広がる経験ができます。