トヨタ·コニック·プロ株式会社は、「トヨタブランドの価値向上とモビリティ領域から拡がる新たなビジネス創造への挑戦」を目的としたトヨタグループ唯一のマーケティング会社です。
ブランディング領域に加え、トヨタ自動車やトヨタ販売店、地域の自治体や事業者と共に、新規事業開発にチャレンジし続けています。2022年にお取引いただいた同社は、CINCAのどのようなところに魅力を感じ依頼いただいたのでしょうか?
支援の末、どのような結果が生まれたのか、本プロジェクトに関わった岩岡さんにお話を伺いました。
戦略の提案だけではなく実稼働まで並走するパートナーを求めていました
──今回取り組んだ事業の概要を教えてください。
ある自治体によるワーケーション誘致プログラムに参加していました。その中で自治体の方と観光領域の交通課題について議論が進み、トヨタ·コニック·プロとして観光領域でのモビリティサービスの事業化を検討し始めたんです。ちょうどその時期に、CINCAさんと出会い、事業検証が得意と伺いました。これまで手探りで進めていた事業検証をスピード·質ともにレベルアップさせたいと思い、プロジェクトに伴走いただくことを決めました。
──過去に社内で似たような取り組みをした経験はありますか?
全社を巻き込んだビジネスコンテストを実施したことがあります。素晴らしいアイデアがいくつか生まれ、意義があったと感じています。この取り組みによって高まった活気を原動力に新規事業を展開していこうとする中で、プロジェクトごとに各チームで「事業と解決すべき課題はマッチしているのか」「その事業の顧客は存在するのか」「顧客の真の困りごとは何なのか」など、それぞれのやり方で事業検証に取り組んでいて。検証の精度·スピードを高めるために共通の型を模索していました。
──社内で進める中で直面した課題はありましたか?
2022年のころは新規事業開発に取り組み始めてまだ1~2年という中で「考えた事業構想がうまくいくのかどうか」という事業検証の知見がほとんどありませんでした。フレームワークや壁打ちだけではない、検証の実稼働を並走してくれるパートナーを必要としていたところ、知り合いからCINCAさんをご紹介いただきました。
顧客課題を元にした新規事業立ち上げのナレッジを社内へ還元したい
──最初、CINCAはどのような印象でしたか?
超絶「高度」で超絶「泥臭い」ことをやってくれる会社だなという印象でした。特に市場リサーチにおいては、簡易的なサービス資料を作って電話営業をし、お金を払ってでも欲しいプロダクトアイデアなのか実際の顧客の声を取りに行く活動をされているとお聞きして。単純にすごいなと思いました。
──CINCAに発注する際に不安だったことはありますか?
不安は特になかったです。経験が浅い事業アイデアの検証プロセスや、ストラテジー含む新規事業立ち上げのノウハウの経験が豊富であることを、事前にしっかりと説明していただきました。
事業検証の進め方を一通り体験できた
──CINCAに依頼してよかった点はありますか?
CINCAさんとご一緒する前は、不安ながらも手探りで事業の検証を進めていました。CINCAさんと伴走できたことでその不安が解消され、ゴールに辿り着くまでの時間も、ものすごく短縮できたと実感しています。
「新規事業開発のど真ん中で走っている人たち」とお聞きしていましたが、実際にプロジェクトに並走いただく中で、端々から感じました。
戦利品は「お客様視点の徹底」
──CINCAの支援を通して得られたものはどんなものでしたか?
事業開発で最も重要な「課題=お金を払ってでも解決したい困りごと」という視点は、これまでも持っていたつもりですが、重要性を再認識しました。
ついつい技術的な課題や地域や自治体が困っていることに目がいきがちですが、そもそも提供するサービスに対してお金を払ってくれるお客様がいないと、事業は成立しません。
そこから、こちらが想定する課題に対して「お客様が困っているのか」「お金を払ってでも解決したいと思っているのか」を、ユーザーインタビューなどを通して突き詰めて考える必要があります。
このプロセスについて学ぶことができ、とても勉強になりました。
そうですね。顧客インタビューをする中でよくあるのが「こんなプロダクトがあったら買いますか」に対して「欲しいかも」って言ってくれるけど、結局誰も買ってはくれないこと。
貰えるなら貰うけど、お金を出して買うとなるとまた別ですね。
──社内からはどんな評価だったんですか?
これまで手探りでやっていた新規事業開発を、フレームワークや具体的な方法論を通じて学べたという声は多かったです。CINCAさんとのプロジェクトを通して、新規事業立ち上げのナレッジを社内に還元したいという目的もありましたので、狙い通りでよかったです。
ソフトテクノロジー領域ならCINCAのスピード感が更に活きる
──どのような会社がCINCAに合うと思いますか?
CINCAさんの強みは、検討·検証のサイクルの速さだと感じました。その速さが活きるのは、特に、オンラインサービスを構築できる技術は持っているが、どうビジネス化していいかわからないという会社からの相談だと感じます。
確かにそういう依頼は結構多いですね。ソフトでもハードでも検証から実稼働へのアクションは同じですが、スピード感は違いますね。
ハードの事業立ち上げはステークホルダーも多いという側面がありますからね。ソフトテクノロジーならCINCAさんとフィットしていると思います。