東京地下鉄株式会社では、沿線エリアの暮らしを支え、魅力ある街づくりに貢献する新規事業の創出に取り組んでいます。2025年4月に新設された都市・生活創造本部ビジネスサービス事業部(ビジネス開発)では、4人のメンバーで事業のアイデア創出から事業化までを迅速に進める必要がありました。
そこで、リソースとノウハウの両面を補うパートナーとしてCINCAにご依頼いただきました。本プロジェクトに関わった東京地下鉄株式会社の桶田麻衣子さんと福田実奈さんに、CINCAにご依頼いただいた経緯や期待していたこと、支援を受けての感想についてお話を伺いました。
外部の知見を借り、スピーディーに事業検証を進めたかった
──まずは、CINCAにご依頼いただく前の新規事業の取り組みについて教えてください。
2025年4月に新規事業の立ち上げを担う「都市・生活創造本部ビジネスサービス事業部(ビジネス開発)」が新設され、私もそのタイミングで配属されました。最初に取り組んだのは、事業のアイデア創出です。私自身、入社後は駅員業務や運転士の研修など現場経験を積んだ上での配属でしたので、現場で出会った方々の力になれるようなサービスを作りたいと考えていました。
ただ、部署にいるメンバーのほとんどが新規事業の立ち上げ経験はありませんでした。さらに、2027年度に利益1,000万円を出すことが数値目標として設定されていたため、早い段階から確実に事業を前に進めていく必要があったんです。自分たちの力だけでは難しいと感じ、外部の知見を借りようと社内で話し合っていました。
──御社の部署で掲げられていた目標を教えてください。
2つの目標があります。1つは、お客様の生活を支え、豊かにするサービスを創出すること。経営指針に掲げられている『次の「あたりまえ」と「ワクワク」を』というビジョンのもと、魅力ある街づくりを実現していく必要があります。
もう1つは、2027年度に利益1,000万円を出すことです。ただ、この定量的な目標は、利益という金額そのものを重視しているのではなく「新しい事業を立ち上げて黒字化するという意気込みで取り組みなさい」というメッセージだと部署内では受け止めていました。ですから、立ち上げ初年度はまず、いかに良いアイデアを継続的に生み出せるか、そして早く事業アイデアの仮説検証を行い、「これはいけそう」「これは難しそう」という判断を先へ先へと進めていけるかが重要だと考えていました。

「レンタル新規事業室」が、自分たちの困りごとにフィット
──今回、CINCAに依頼した経緯を教えてください。
展示会でCINCAの佐倉さんとお会いしたのがきっかけです。
「レンタル新規事業室」というコンセプトが、私たちの困りごとにぴったりフィットしていると感じました。1つの事業を立ち上げるためには、数多くの事業アイデアを検証してピボットや撤退の判断を下していくことになると思います。部署にいる4名で複数の事業アイデアを検証していく必要がありましたが、多くの事業アイデアを同時に検証するには人手が足りない。かといって社内で増員を求められる状況でもなかったため、限られた予算の中でどうリソースを確保するかが大きなテーマでした。
また、CINCAさんとの初回の打ち合わせで、思いつきレベルのアイデアを伝えたところ、とても高い解像度で言語化してくださったんです。「CINCAさんとなら、私たちの事業立ち上げ経験がなくてもやっていけるかもしれない」と感じて、ご依頼に至りました。
──CINCAにご依頼する上で、期待していたことを教えてください。
CINCAに期待していたことは2つあります。1つ目は、事業検証の高速化です。事業アイデアに対する仮説検証を早く行い、事業化の可能性があるかないかを早期に判断したいと考えていました。
2つ目は、今回の案件に限らず、今後の新規事業推進に必要な視点や考え方をチームに根付かせることでした。私自身も過去に、顧客の声を聞かずに事業立ち上げを進めて上手くいかなかったケースを見てるので、正しい新規事業立ち上げのプロセスを知ることは大事だと感じていました。そこでメンバーには、実務を通じて新規事業の立ち上げプロセスを理解してもらいたいと思っていました。

客観的な判断で、納得感を持って事業検証を進められた
──実際にCINCAの支援を受けてみて、いかがでしたか。
印象的だったのは、推進力の高さです。今回2つの事業検証をしたのですが、フラットに「これは事業化が厳しいです」と判断いただけたことが、信頼につながりました。
可能性が薄くても継続して事業検証すればCINCAさんにとっての利益になるとは思いますが、そうではなく客観的に判断してくださった。私たちが掲げる目標達成につながるかどうかを軸に所感を伝えていただけたことは、すごくありがたかったです。
また、事業検証の方針を変更する際にも、CINCAさんはメソッドやロジックを丁寧に説明してくださいました。詳細を聞いて「そうなんだ」と気づかされることが多かったのですが、その説明があったからこそ納得感を持って一緒に進めることができました。
──支援を通じて、ご自身で「次からできそう」と感じたことはありますか。
想定顧客へのインタビューですね。特に、相手が話してくれたことを自分の言葉に置き換えて「こういう理解で合っていますか?」と確認する深掘りの方法は、2回目のインタビューで自分なりに実践できるようになりました。
インタビューのシナリオ設計や、課題をどう切り分けて聞いていくかという流れについても理解できました。
──「現場で働く方の力になりたい」と思って検討していた事業も、途中ピボットすることになりました。そのあたりは納得感を持って進められましたか?
そうですね。たしかに大きな方針転換ではありましたが、常に目標を意識していたので、確実に事業を立ち上げる方向に進むべきだという判断には納得感がありました。
CINCAさんからのアドバイスを受けて「やっぱりこちらの方がいい」と本気で思えたからこそ、前向きに進めることができました。

CINCAは、事業検証の進め方に迷われている方におすすめ
──今後の取り組みについて教えてください。
引き続き、沿線エリアでの新規事業を検討していきたいです。もちろん、新規事業を立ち上げるためには課題や市場があることが大事ですが、最後までやり抜くためには担当者自身の熱量も必要だと思います。
今後もたくさんの事業検証を重ね、みんなが再現性を持って事業アイデアの創出から検証まで実践できるような、自走できる状態を作り上げていきたいです。
──最後に、CINCAのサービスはどのような企業におすすめできますか。
未経験で新規事業の立ち上げを任された方や、スピード感を持って仮説検証から事業化まで進めることを求められている方にぴったりだと思います。
事業検証の進め方に課題を感じている企業にフィットすると思います。CINCAさんの工程設計は、「何を、どの順番で、どれだけの工数で検証するか」が明確に設計されています。プロジェクト開始時にモヤモヤを抱えることなく、納得感を持ってスタートできたので、安心してお任せできると思います。
※本記事は、2026年3月時点の内容となります。