事例紹介

泥臭い事業検証を経て、JR東日本グループの子会社設立を実現。CINCAが農業領域の伴走支援を実施

client

東日本旅客鉄道株式会社

project

農業領域の伴走支援

東日本旅客鉄道株式会社は、JR東日本グループのアセットを活用した新規事業の創出に取り組んでいます。農業領域での事業化を目指す中、「事業検証を一緒に手を動かして進めてくれるパートナーが必要だ」という想いからCINCAにご相談いただきました。

2025年6月から12月までの半年にわたる支援を通じて、事業アイデアの仮説検証やピボットを経て、子会社設立に至りました。本インタビューでは、プロジェクトの担当者であるJR東日本豊里創生の高橋大輔さんのほか、伴走支援を担当したCINCAの阿部・大平に話を伺いました。

稼働量を確保し、仮説検証の精度を高めるためにCINCAへ依頼

──2025年6月時点に構想されていた事業アイデアを教えてください。

高橋さん
高橋さん

最初の事業アイデアは、ライスセンターという重設備をJR東日本のアセットを活用しながら稼働させていくものでした。ライスセンターとは、収穫した米を乾燥させて玄米にするための工程を機械化し、その機能を担う場のこと。数千万〜数億円規模の投資が必要になります。

農業法人は収穫量や販売価格などのボラティリティが非常に高く、金融機関からの借り入れやエクイティの調達も難しい。そこで、我々はこれから規模を拡大しようとする農業法人をターゲットに、JR東日本グループの資金力や土地などを活かして支援できないか、と考えていました。

──今回、CINCAにご依頼いただいた背景を教えてください。

高橋さん
高橋さん

本事業アイデアの検証を、チームメンバー3名で進めていました。ただ、地方の農業法人や自治体から一次情報を得るためには、現地に足を運ぶ必要があり、どうしてもリソース不足に陥ってしまう課題がありました。

CINCAさんは、以前にも弊社の新規事業プログラムを通過した事業アイデアの検証にお力添えいただいていたことがありました。

過去に、さまざまなコンサルの方とご一緒する中で、提供した情報をもとに整理・分析していただくことはもちろん大事ですが、それ以上に「稼働量」が大事だと感じていました。ヒアリング一つとっても、5人に聞くより、多くの人の声を聞いたほうが検証の精度も高まると思います。検証の質とスピードを向上させるブーストをかけるためにも、一緒に手を動かして検証していただけたらと、CINCAさんにご依頼しました。

泥臭い仮説検証で見えてきた、事業の勝ち筋

──CINCAの支援はどのように始まりましたか?

高橋さん
高橋さん

「1年半の検証期間内で事業を立ち上げる」という制約が設けられていたので、そこからスケジュールを逆算して、どの期間までに何をするかをCINCAさんに設計してもらいました。マイルストーンを置いて、定例で進捗を確認しながら伴走支援いただけたことは、プロジェクトをスムーズに進行する上で重要だったと思います。

大平さん
大平さん

そうですね。タスクの細分化というよりは、本事業を検証していくにあたっての論点を3つに絞って重要度をつけ、その論点に対するアクションを設定するために自治体や農業法人、専門家など関係者とヒアリングをしていく、という流れでしたよね。

──途中、ピボットはありましたか?

阿部さん
阿部さん

はい。改めて、本事業案が解決する課題を整理したときに、「農業法人が借り入れできない」「資金が不足しているので、大型設備を導入できない」などの課題に集約されていって、必ずしもライスセンターの貸付というビジネスモデルに固執する必要はないという結論に至りました。

そこで、大規模な資金がなければ実現できないことを一通り洗い出し、その中で大きな課題を見つけようとしたんです。ただ、どれも課題が小さく、ビジネスモデルそのものを考え直す必要がありました。

大平さん
大平さん

その中で生まれたアイデアの一つが、農業法人に出資をして経営効率を高めるロールアップモデルでしたね。

阿部さん
阿部さん

ロールアップモデルが成立するためには、「農業法人を適切な価格で事業承継することが可能か」「買収後に経営効率を高めることができるか」の2つの検証が必要でした。

──ロールアップモデルの検証で、特に印象に残っていることはありますか?

高橋さん
高橋さん

事業継承の候補となる農業法人のオーナーの多くは、高齢の経営者様です。現地に足を運ぶ必要があった一方で、一次情報を得られたことは非常に大きかったです。一概に事業承継を検討されている地方の農業法人といっても、エリアによって手放したいオーナーの数や特性が異なると気づけたことは一つの成果でした。

他にも、生産効率の高め方については、生産から販売における効率化の余地について仮説を立て、専門家インタビューを通じて検証を繰り返しました。

──農業法人のオーナーとお話する中で、何か発見はありましたか?

高橋さん
高橋さん

農業法人が事業承継に踏み切れない最大の理由は、引き継ぎ先への不安でした。多くの農業法人は地域の地主から農地を借りて生産しているので、承継した企業が田んぼを放置したまま撤退すれば、手放した農業法人の社長さん自身がその地域で生きていけなくなる。そこに対して、我々が提供できるのは、地域に根ざしたインフラ企業として培ってきた信用力やネットワークなどです。まさに、JRの看板を活かして様々なアセットを提供できると感じました。

これらの検証結果から、JR東日本グループ内で事業を展開することに大きな価値があると思い、子会社化に至りました。

泥臭い事業検証が、他にはないCINCAの強みだと感じた

──改めて、CINCAの支援を受けてみていかがでしたか?

高橋さん
高橋さん

一番は、一緒に手を動かして伴走していただけるところです。新規事業は華やかに見えますが、泥臭いことの積み重ねを、何十回、何百回できるかの勝負だと思っています。それを実践できるCINCAさんは、他にはない強みだと思っています。

──御社の今後の展望について、教えてください。

高橋さん
高橋さん

すでに、複数の自治体からお問い合わせをいただいており、ありがたいことに個人の方々からは我々の会社で働きたい、というお声もいただいています。まずは、スタートとして1~2つほどの地域での展開を目指して準備を進めていますが、今後は他の地域へも拡大していきたいと考えています。

──最後に、どのような会社がCINCAに合うと思いますか?

高橋さん
高橋さん

大企業の新規事業に携わる、営業や顧客開拓の経験がない方にこそおすすめしたいです。テレアポ1,000件近くを実施し、1/100の確率を取りに行く姿勢を見て「泥臭い作業をこんなにやるんだ」と気づかされました。
他にも、CINCAさんがいることで、手足を動かすメンバーが増えるので、他業務との兼任で忙しい方や一人で新規事業を推進しなければいけない方にとって、すごく心強いと思います。

※本内容は、2026年3月時点の情報です。

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